Step1…コンセンサスの形成
○各関係各所の事前調整
関係各所が一堂に集まって検討する会議は調整できなかったため、個別に事業の説明と協力依頼を行った。特に複数の関係団体が集まる場で複数回説明して理解を求めた。
4/6…佐久間病院事務職に説明と防災担当への橋渡しを依頼
4/7…浜松市佐久間協働センター防災担当への説明
4/14…自主防災組織の会合でアンケートの実施
4/27…認知症サポーターのワークショップの場で関係者(佐久間協働センター保健担当、
地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、消防団)に説明と協力依頼。
5/16、7/6…佐久間協働センター防災担当と協議
7/18…地域ケア会議で説明と協力依頼(佐久間協働センター保健担当、
地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、社会福祉協議会)
7/20…消防団に説明と協力依頼
7/20…診療圏の重なる他県の医療機関に説明と協力依頼
8/2…在宅ケアカンファレンスで説明と協力依頼(佐久間協働センター保健担当、
地域包括支援センター、居宅介護支援事業所)
Step2…モデル対象地区の選定
○モデル対象地区選定の検討
・浜松市天竜区佐久間町の現況確認
浜松市天竜区佐久間町の自主防災組織の会合において避難行動要支援者の把握状況と、
予定している支援の方法について、アンケート調査を行いました。
更にその結果をもとに自主防災組織ごとに電話で補足調査を行った。
37地区中、33地区から回答を得た。以下、回答のあった33地区について検討した。
Q避難行動要支援者の把握・方法 避難行動要支援者の把握・方法
A1 把握しており、支援方法も決めている17地区(52%)
A2 把握しているが、支援方法は決めていない9地区(27%)
A3 把握していない7地区(21%)
また、補足調査の結果具体的な個別計画を立てているのは1地区であった。
さらに、災害発災時には、町内会役員や班長の負担が過度に高いことも補足調査の結果明らかになった。
避難行動支援の準備状況は地区によって全く異なっていた。
地域包括ケアのリソースを用いて地域内の避難行動支援に関わっていくことの必要性が示唆された。
行政の防災担当と協議した結果、把握はしているが支援方法は決めていない地区の中で、地理的状況から浜松市の指定する緊急避難場所へのアクセスが困難で、地域内の一時避難場所を利用することになる川合地区を、天竜区における災害時要援護者避難支援に関するモデル地区として選定した。
■モデル対象地区
川合地区
人口:120人 世帯数:63世帯、同意者名簿登載人数:5人
地域環境:旧佐久間町の一集落。浜松市防災計画に指定された緊急避難場所は天竜川の対岸にある佐久間中学校である。直線距離は数百メートルであるが橋がやや上流にあり道のりは2キロメートル前後であった。3年前その橋ががけ崩れの直撃により崩落したため、現在は河川内に仮設道路をつくり自動車のみが通行可能な状態が続いている(歩行は禁止されている)。大雨により水面が上昇したり、上流の佐久間ダムが放水したりすると仮設道路は通行止めになり地区から最寄りの緊急避難場所には到達できなくなる。
○モデル対象地区への事業説明会の確認
7/13佐久間協働センター防災担当とともに川合地区に赴き事業の説明と協力依頼を行った。その際に具体的に地域内で行うこと(防災まちあるき、対象者の選定、個別計画の作成、支援担当者の決定、避難所マニュアルの作成、防災訓練への参加)を説明した。10月下旬の伝統芸能に向けて地区全体で取り組むため、それを妨げない事業スケジュールを検討した。
<参加者>川合地区(川合区長、副区長、会計、民生委員)
浜松市佐久間協働センター防災担当、佐久間病院長、佐久間病院保健師
■(参考)川合地区における過去の災害履歴
昭和36年沢の氾濫による水害、昭和43年天竜川の氾濫による水害
Step3…チームの編成
事業全体を検討する協議体は会議スケジュールの調整ができなかったことが原因で編成できなかった。事業スケジュールを佐久間病院と川合地区の協議で決定し、各スケジュールについて関係する団体に具体的な動きを依頼した。
川合地区事業としては川合地区役員、民生委員、佐久間協働センター防災担当、佐久間病院の参加により協議を繰り返した。地区役員はその内容を班長会で説明し地域内に広報した。
個別計画作成においては在宅ケアカンファレンスで集まる機会を利用して、カンファレンス後に佐久間協働センター保健担当、地域包括支援センター、2か所の居宅介護支援事業所、佐久間病院の間で協議を繰り返した。
それぞれの動きについては会合ごとに説明し周知した。
Step4…対象者の選定
浜松市から川合地区に同意者名簿は提供されていたが、その閲覧は行わず独自に選定した。前年に別事業にて行われていた保健師の地域調査結果をもとに、在宅ケアカンファレンス後の協議の場で多職種からの意見を一斉に整頓し、対象者を選定した。選定した対象者について自治会役員と民生委員の意見も加えて最終決定し、名簿を作成、連絡会議構成員と自治会役員のみに公開、㊙情報として扱いを統一した。名簿登載者28名。
Step5…防災マップの確認
○現地踏査の実施
–日時:平成29年9月9日(土)午前8:30~11:30
-スケジュール
8:30-9:00 説明
9:00-10:30 まち歩き(7班に分かれて実施)
10:30-11:30 防災マップ作成
–場所:川合区民館・川合地域現地
–参加者44名
川合地区自主防災組織(25名)
住民、民生委員、消防団
浜松市天竜区・行政関係者(19名)
天竜区防災担当者、保健医療福祉従事者
Step6…要援護者に対する支援計画書作成
9/22 名簿登載者28名を決定
10/16 計画作成担当者を決定し、依頼文、説明書、同意書を配布した。
居宅介護支援事業所のケアマネジャー
は自身が担当するケースを担当。
佐久間協働センター保健師は精神障害者を担当。
その他のケースは地域包括支援センターと佐久間病院のケアマネジャーで担当。
10/28 災害時ケアマネジメント研修会に代表が出席
11/20 アセスメントとプランの中間集計
11/30 プラン一次締切り
12/4 静岡県地域防災訓練で車いす利用者の避難行動試行
その後プランと地域内支援者のマッチングを行ったが、地区内の高齢化の進行のため支援者名を決定することが困難であることが判明した。逃げないプランも考えられること、その場合も含めて安否確認が重要であることが判明した。そのことをもとに川合地区防災支援マニュアルを作成することとなった。
防災支援マニュアル作成後、支援担当者は川合地区内各班の防災委員とし、安否確認を主要支援とすることになった。
Step7…地区住民対象説明会の開催
個別計画をもとに佐久間病院で川合地区防災支援マニュアルを作成しました。
2/20に川合地区役員に提示し了承を得た。
住民対象説明会は4/20予定となっている。