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中山間地域等(離島及び中山間地域)の小規模自治体(保険者)における地域包括ケアシステム構築の好事例の実態把握と都道府県、地方厚生(支)局の支援方策のあり方に関する研究事業

主要調査研究事業詳細

2018/03/31

中山間地域等(離島及び中山間地域)の小規模自治体(保険者)における地域包括ケアシステム構築の好事例の実態把握と都道府県、地方厚生(支)局の支援方策のあり方に関する研究事業


平成29年度厚生労働省「老人保健健康増進等事業」にて実施しました。

目的

本事業では、中山間地域等における地域包括ケアシステム構築の現状を調査するとともに、少ない人材、資源の中で、地域独自の工夫、エリアを市町村単位と考えずより広域あるいは逆に市町村を分割した取り組みなどについての情報も収集して好事例集を作るとともに、国や都道府県による支援のありかたについて検討することを目的とする。

※活動エリア:中国四国厚生局・四国厚生支局管内(9県)
※事業全体については中国四国厚生局、四国厚生支局の協力のもと実施しました。
※住まいに関る検討に関しては、国土交通省中国地方整備局、四国地方整備局のご支援をいただきながら実施しました。

事業内容

Ⅰ.実施期間   平成29年6月12日(月)~平成30年3月31日(土)
Ⅱ.委員会名
  中山間地域等の小規模自治体における地域包括ケアシステム構築実態把握と支援方策のあり方に関する検討委員会

Ⅲ.実施内容
ⅰ委員会等の設置
 中山間地域等の小規模自治体における地域包括ケアシステム構築実態把握と支援方策のあり方に関する検討委員会
  委員長 阿波谷敏英(高知大学医学部家庭医療学講座教授)
 他:2テーマに関する作業部会の設置
  ①中山間地域における医療介護の連携、人材育成・確保等に関する検討部会
   部会長 阿波谷敏英(高知大学医学部家庭医療学講座教授)
  ②中山間地域における住まいのあり方に関する検討部会
   部会長 園田真理子(明治大学理工学部建築学科教授)
ⅱ実態調査の実施
 中国四国厚生局・四国厚生支局管内の中山間地域(過疎地域市町村等)(155ヶ所)
 中国四国厚生局・四国厚生支局管内の国保診療施設(179ヶ所)
ⅲ実地調査(現地訪問調査)の実施
 中国四国厚生局・四国厚生支局管内の9県各1自治体(市町村)(9ヶ所)
ⅳ中山間地域における、地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築のあり方に関する検討
 ・医療介護連携に関する検討(保健事業・介護予防との連携含む)
 ・住まいの確保に関する検討
 ・リソースネットワークに関する検討
 ・好事例(先進事例)を収集し、今後の国及び県が市町村支援方策のあり方を検討する。
Ⅴ報告書等作成
 中山間地域における地域包括ケアシステム好事例集(報告書内掲載)
 報告書
Ⅵその他
 研修会・報告会の開催
 

事業成果・報告書

事業結果概要(サマリー)
事業結果報告書

事業成果概略

●地域包括ケアシステム構築の好事例紹介



地域包括ケアシステム構築の好事例地域! ここがポイント!

鳥取県・智頭町 ☞ 町の保健、医療、福祉、介護の集約であらゆる課題に対応
1.保健・医療・福祉総合センター「ほのぼの」
センターを中心に、住民の啓発、個別ケース検討、政策検討など、ミクロからマクロまでの多様な取組を効果的に展開している。病院、行政、社会福祉協議会などが日常的に顔を合わせることで円滑な協力関係を構築している。
2.住民主体で楽しい介護予防
住民が主体的に、楽しく、やらされ感なく介護予防活動に取り組んでいる。
島根県・雲南市 ☞ 巧みな仕掛けづくりの街
1.幸雲南塾
行政主導のキャリア形成塾、様々なアイディアと人材が集まる。
2.地域自主組織
小学校区単位で住民自ら地域の課題に取り組み、自治意識の向上が見られる活動。
3.円卓会議
地域と行政が対等の立場で、地域課題に対する検討・協議を進める。
岡山県・高梁市 ☞ 多彩なリーダーシップが融合する地域包括ケア
1.ICT(やまぼうし)を活用した在宅医療連携
在宅や施設での訪問診療に活用し、診療の効率化と情報共有が向上。
2.医療セクションの構築
市民ニーズ調査により、行政・医師会・保健所等の関係者が、同じ方向に向かって集まり、動きを加速。
3.元気なからだづくり隊とお助け隊
住民の自主的集まりに、行政の巧みなシステムづくりと地元大学の連携協力により展開される介護予防事業と生活支援。
広島県・北広島町 ☞ 医師・医療から発展する多職種連携・地域づくり
1.医師がつくり、介護につないだ多職種連携
診療所医師が医療・介護専門職の連携を主導しながら、地域のチームリーダーがケアマネジャーであることを明確化し、医療・介護の良好な連携体制を形成していった。
2.地域住民を主体とする認知症対策
地域住民向けに1年かけて行った認知症研修会、地域住民主体での立ち上げ、運営を仕掛けた認知症カフェにより、住民の意識変容・主体性の向上を促進した。
山口県・萩市 ☞ 多種多様な主体がつくる、地域包括ケアシステム
1.診療所を中心に、地域包括ケアシステムを推進
むつみ地域、川上地域の診療所医師が、介護側を含む様々な関係機関の連携の柱となり、包括的な支援体制を構築。
2.医療・介護以外の団体を含む、多様な見守り・助け合いの実践
駐在所や消防団、総合事務所市民窓口、地域住民からなる「むつみ元気支援隊」など、様々な活動主体が「お互い様」の精神で見守り・助け合い活動を行っている。
徳島県・那賀町 ☞ 地域ニーズ優先で町を動かす
1.現場のスタッフの意見が政策に反映される仕組み
「各支所ケア会議」で個別課題を抽出し、「健康福祉検討会」で政策提言につなげる流れが確立している。
2.ICTで情報共有を合理化し、ケアの質を向上
情報共有ツール「新・みまもるくん」が、日常の緊密な情報共有と、効率的な会議運営を実現。節約された時間はケアに充てることで質の向上にもつながっている。
3.いろいろな人を上手に巻き込む
医師が「各支所ケア会議」の日程調整、PC入力を担当するなどのルール化により、医師の参画を促進。また、大学等外部組織と良好な関係を築きICT開発等の支援を受けている。医療・福祉関係者の他、商工会や警察など多様な組織も巻き込んで会議や事業を実施。
香川県・小豆島町 ☞ 未架橋の離島でのシステム構築
1.複数自治体・病院の協働の場 「地域包括ケア連絡会」
行政、医療・介護連携の場が病院の統合で更に効率的、活動的になった。
2.医療機関再編を核とした生活環境のデザイン
公共交通機関や教育施設などの統合、整理を実施、計画している。
3.地域で生活を支え合う仕組み「有償ボランティア」
介護予防事業に関する多様な取組が進められ、利用者側にも評価されている。
愛媛県・西予市 ☞ 人がつながる場所・仕組みづくり
1.活発なサロン活動を支える「トリアージ」と地域での話し合い
市内では121ものサロンが活動しており、住民の介護予防に向けた取組の場として役立っている。継続支援が必要なサロンの見極めや、地域住民自らが取り組むべき課題を考えることによって、活発な活動の維持・発展につながっている。
2.医療・介護 さまざまな手段で情報共有
医療・介護関係者の連携に向け、処遇困難事例の検討会議「連携せいよ」や、クラウドシステムkintoneを用いた日常的な情報共有といった、特徴的な取組を行っている。
高知県・梼原町 ☞ 全員参加の健康づくり
1.住民に浸透している健康文化の里づくり推進員制度
各区からの推薦で選出された「健康文化の里づくり推進員」が、その活動で高い健診率と健康意識の向上に貢献している。
2.定期的なケアプラン会で細やかなケアを提供
地域をよく知る関係専門職が週1回集まり情報交換することで細やかな支援や対応が可能となっている。
3.利用者の状況に応じた居住施設の整備
町外に依存していた軽中度の介護が必要な高齢者の居住施設を整備するなどして、住み慣れた地域で安心して暮らしていける環境をつくっている。
【 活動の詳細 】

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●中山間地域等の基礎自治体における高齢者等の「安定的な住まいと住まい方」に関する検討マニュアル ~広島県府中市におけるモデル事業の実践を踏まえて~

マニュアルの目次

■はじめに
 1.中山間地域の「住まいと住まい方」に関する課題の背景
 2.地域包括ケアシステムの推進に関連して把握しておくべき行政計画・施策の一覧
PHASE 1
 STEP1 基礎作業
  1.人口・世帯動向等の基礎データの把握
  2.高齢者の居住等に係る基礎データの把握
  3.地域資源の把握
  4.介護・医療等に係る対応の特質把握
  5.関係分野の動向把握
 STEP2 地区別データの作成
 STEP3 地区カルテの作成(緊急度の高いところを優先)
  1.問題点・課題の洗い出し
  2.問題・課題の設定
PHASE 2
 1.居住支援のあり方を協議するプラットホームの形成
 2.居住困難世帯の個別事案への対応
 3.居住関連プロジェクトの立案と実施
■おわりに
 ※マニュアルは、現在HP掲載用に改編中です。しばらくの間上記の報告書にてご確認ください。

○引用・活用 ※他事業との連携による効果の創出
・高齢者の居住等に係る基礎データの把握にあたりましては、一般社団法人高齢者住宅財団が公開しております「高齢者の潜在的居住支援ニーズ推計シート」を活用しております。
※参照「低所得高齢者等住まい・生活支援の取組みに関する普及啓発事業」(平成29年度老人保健健康増進等事業)