本文へスキップします。

  • 標準
  • 拡大
サイト内検索

会長挨拶

        ごあいさつ

 全国国民健康保険診療施設協議会
 会 長  押 淵   徹

(長崎県・国民健康保険平戸市民病院長)

 全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)は、国民健康保険診療施設(国保直診)の管理者である医師・歯科医師を会員として、平成元年3月に厚生省の許可を受け社団法人として設立され、平成24年4月からは、内閣府より移行認定された公益社団法人として活動しております。815施設会員により構成されている団体です。(平成29年3月現在)国保直診の約8割は医療提供体制が希薄な地域(離島、へき地、中山間地)に立地しています。守備する地域は日本のどこよりも早く超高齢社会を迎えている地域です。高齢者の多いこれらの地域の実情を直視した施設運営に取り組んできました。高齢者となり心身ともに何らかの支えを必要とされる方々を、いかにその方々が生まれ育った住まいや地域で支えていくかを日夜工夫し実践していくうちに出来上がってきたのが「地域包括医療・ケア」システムです。これから高齢化していく日本全国の地域を支える社会的サービスとして国の政策に取り上げられ、今や法律にまで明記されています。地域包括ケアシステムのフロントランナーである 国診協は、全国の国保直診における「地域包括医療・ケア」の実践を通じより一層の進化を目標に、全国国保地域医療学会、地域医療現地研究会、地域包括医療ケア研修会の開催や調査研究事業の実施等の活動を行っています。
 なお、本年9月20日(水)・21日(木)の両日には、第57回全国国保地域医療学会を東京都港区・メルパルク東京を会場に開催いたします。メインテーマは「国保新時代へ翔びたとう、国保直診 国保制度改革を見据えて」となっております。会員施設の皆様方、地域住民の皆様方、医療、福祉関係の皆様方のご参加を心よりお待ちしております。
 
おわりに、国診協は地域包括ケアシステムのフロントランナーとして様々な事業を通じ情報を発信し続け、住民の皆様が望む地域で安心して過ごして頂くよう事業を推進してまいる所存です。

  

〇平成29年度会長所信

1.平成29年度事業方針

 世界一の超高齢社会を背景に持続可能な社会保障制度の確立を図ることを目的とした社会保障・税一体改革の推進のため、平成24年8月に社会保障制度改革推進法の成立そして同年12月に「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(いわゆるプログラム法)」が成立しました。この法律に基づく措置として、平成26年6月25日に19本の個別法からなる一括法として「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(医療介護総合確保推進法)」が公布されています。その概要は1.新たな基金の創設と医療・介護の連携強化、2.地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保、3.地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化などです。今回の法律改正で地域包括ケアシステムが規定されたことは、世界一の超高齢社会の日本ではこのシステムが必要不可欠であるということを示しています。第6次の医療法改正で、これまでの病院完結型医療から医療機能の分化・連携による地域完結型医療が求められ、病床機能の報告制度(高度急性期機能、急性期機能、回復期機能、慢性期の機能)に基づき、知事の責任において都道府県で平成27年4月より地域医療構想が策定されています。私たち国保直診の立場から地域の医療ニーズを踏まえて地域医療構想実現向けた取り組みを進めていきます。 医療保険制度改革については、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律が平成27年5月27日に成立し、国民健康保険に対する財政支援の拡充(平成27年度から)、国民健康保険の財政運営責任の都道府県への移行(平成30年度から)、負担の公平化、医療費適正化の推進、患者申出療養の創設等の措置が講じられることとなっています。
 診療報酬改定については、平成28年4月(全体改定率+0.49%)の改定を受けて、会員施設の経営状況等影響調査等を踏まえ、また、平成30年4月には診療報酬改定とあわせて介護報酬改定も控えており、両改定に向け、国に対して要望していくこととしています。
 また、国により示された新たな公立病院改革ガイドライン、医師確保対策、「総合診療専門医制度」設計に向けての具体的提言等の実施、会員拡大等、さまざまな課題に対応していきます。更に、医療資源が限られた地域(医療従事者の確保等が困難で医療機関が少なく自己完結型の医療を提供している地域)への対応については、中山間地域等医療資源不足に悩む我々国保直診に対する支援を引き続き強く要望していきます。消費税増税等による国診協の財政基盤への影響等に留意した一層の効率的な事業運営並びに経費の見直し等についても、引き続き取り組んでいきます。このため、国、国民健康保険中央会、都道府県国民健康保険団体連合会その他関係団体と緊密な連携を図りながら、次に掲げる項目を重点的に取り組んでいきます。 

2.重点項目

(1) 組織体制の強化
 国保直診の運営・事業活動の強化及び新公立病院改革プラン等へ対応するため、都道府県国保直診開設者(市町村長)協議会との連携強化、都道府県協議会並びにブロック組織の活動強化を図るとともに会員施設と国診協との連携、情報交換を密接にする等により組織の強化、活性化を図る。

(2) 地域包括医療・ケアの推進
①国保直診を拠点とする地域包括医療・ケアの普及推進に資するため、地域の関係機関との連携を密にしつつ、国保直診及び国保総合保健施設による特定健診・特定保健指導等を中心とする保健事業、介護・福祉事業への取り組みを強化する。
②地域包括医療・ケアを実践する施設及び医師、歯科医師並びにその他の専門職員(保健・医療・介護及び福祉業務に従事する専門職種職員)を対象とする地域包括医療・ケア認定制度の普及を図る。
③地域包括ケアシステムの構築のためには、行政や住民との連携が必要で、そのために国診協の開設者委員会との連携を密にする。

(3) 医療と介護の一体改革(第6次医療法等の改正)への適切な対応
 
医療と介護の一体改革については、順次関係法律が施行されており、改正の動向に注視するとともに適切な対応をしていくこととする。これまで地域包括医療・ケアの推進及び地域包括ケアシステムの構築に関して、医療関係者の間には介護と福祉の問題である、との認識が強く、医療と介護の連携が不充分であった。今回の改正に地域包括ケアシステムの構築のために医療と介護の連携が必要であることが明確に謳われたことにより、従前より保健・医療・介護・福祉の連携、統合を理念として取り組んできた国診協・国保直診としては、今回の法改正を絶好の機会としてとらえ、従前にも増して取り組みを強化していくこととする。また、医師の地域間、診療科間の偏在については、国診協として従前より国に対して是正要望を提出してきているところであるが、実現までに至っていないので、引き続き、国に対して強く是正を求めていく。更に、特定行為に係る看護師の研修制度の創設、診療放射線技師・臨床検査技師の業務範囲の見直しについては、国診協・国保直診としてもこの制度を活用し、人材育成に努めていく。

(4) 国民健康保険制度の見直し等への適切な対応
 前述したとおり、平成27年5月27日に成立した国民健康保険法等改正法については、都道府県が国保運営に中心的な役割を担うこと、予防・健康づくりの促進、医療費適正化計画の見直し、負担の公平化、患者申出療養等が措置される政策の動向を注視していく。

(5) 新公立病院改革プランへの対応
 医師・看護師等の地域偏在でプラン実現に困難をきたしている中、国から平成27年3月31日に示された新たな公立病院改革ガイドラインに沿った改革プラン策定が求められ、地域医療構想を踏まえた役割を盛り込んだプランが策定されているところであるが、新たに策定された改革プランの実現に向けた取り組みを行っていく。

(6) 地域医療の確保と公立病院改革推進に関する調査研究会(総務省)への対応
 国診協は中・小規模の病院または診療所の会員が大半であり殆どが無くてはならない診療施設としての役割を担っている。運営に困難をきたしては地域包括ケアシステムの推進へ翳りをもたらしかねない、と言っても過言でない。運営を維持できる政策を講じるよう主張していく。

 (7) 平成30年度診療報酬改定等に関する国への要望
 平成28年4月(全体改定率+0.49%)の改定を受けて、会員施設の経営状況の影響等を踏まえ、国に対して具体的な要望行うこととしている。また、診療報酬改定とあわせて実施される介護報酬改定についても、国に対して要望していくこととしている。

(8) 医師・医療スタッフの確保対策に関する国への要望及び関係団体との連携
 医師・医療スタッフの確保について、引き続き国に対して関係団体とも連携しながら要望していく。

(9) 総合診療専門医制度設計に向けた取り組み
 
日本専門医機構において平成30年度開始に向け総合診療専門制度設計が進められている。国診協は連携諸団体と密に協議を重ね、関連委員会に委員が参加し専門医制度整備指針等の改定をはじめ総合診療専門医のあり方等について、積極的に提言を発信しているところである。国保直診はこれまで地域において総合診療を実践し、総合医を育成してきた実績があり、総合診療専門制度発足後は地域包括医療・ケア認定医暫定的な指導医と位置付けられ、国保直診において専門研修が出来るよう環境整備を図る。

(10) 医師・歯科医師臨床研修制度への適切な対応
 
平成27年度に更なる研修の質の向上、地域医療の安定的確保等の観点から見直しが実施された医師・歯科医師臨床研修制度の対応は、国保直診が研修施設として地域包括医療・ケアを実践できる医師・歯科医師の養成に積極的に参画できるよう臨床研修指導医養成講座を開催し育成に務めまる。

(11) 会員施設における経営合理化、安定化の推進
 
会員施設におけるオ―ダリングシステム、電子カルテ等による事務の効率化及び医師等の人材確保を推進するため、国保特別調整交付金の活用等、会員施設の経営の安定化を図っていく。

(12) 全国学会、研究、研修事業の充実
 
全国国保地域医療学会を開催するほか、各種研究、研修事業を充実する。

(13) 国診協としての医師短期派遣の支援の実施
 
既存の人材派遣システムにおいても支援(短期)が受けられない国保直診会員施設に対して、同一県内(近隣県またはブロック内も含む)の国保直診病院の支援について具体的に推進していく。

(14) 国保直診に関する広報の充実及び会員拡大対策の実施
 
国保補助金制度の内容、国保直診となるための手続き等について周知するとともに、地域包括医療・ケア認定制度の周知並びに「総合診療専門医」の育成に向けての対応状況等について会員への周知、広報等の充実強化を図っていく。また、国保直診への未加入状況等を把握し、加入勧奨の促進を図っていく。

(15) 国保直診データベースの充実 
 国保直診活動の情報発信ツールとして、国保直診によるデータ入力の協力を得ながらデータベースの整備を進め、国保直診活動の推進等に活用していく。

(16) 安定的財政基盤確立に向けての検討
 
消費税増税等により影響を受けた国診協の財政基盤確立のために、引き続き、効率的な事業運営と経費見直しを実施していくとともに会費負担のあり方についても検討していく。

 

ページトップへ